1951年から長くデザインを任されていたピニンファリーナ
1951年に両社のトップ会談により、協業がまとまり、フェラーリのデザインを担当したのがピニンファリーナ。フェラーリのデザインにおける定番です。
250 GT ベルリネッタや365GTB/4(デイトナ)、512BB、そして公式がフェラーリ史上もっとも成功したとするテスタロッサ、550マラネロ、F430、F12ベルリネッタなど個性が際立つモデルはどれもファンの印象に残っています。
2010年からは自社でデザイン専門部門(デザインセンター)を設立
デザインをアウトソーシングせず、自社でのインハウスデザインを重視するのはさまざまなメリットがあり、フェラーリ以外の自動車メーカーでも同様の状況は珍しくありません。外部へのデザイン依頼は、新しい思想を取り入れる上では間違いなく重要です。ただし、技術的な問題でのやりとりや技術の秘匿などで煩雑な部分が出てくる点は否定できません。
自動車メーカーでのインハウスデザインは、技術的な問題や取り組みとデザインを融合させられるところがメリットとしてあります。性能とデザインが相互に作用し、機能性とデザイン性が両立できるように自社で一貫して行えるのは強みになるためです。
簡単に成功する取り組みではありませんが、中長期を考えれば試していく必要はあり、新たなフェラーリの姿を世界に見せるために行っていると考えて良いでしょう。そうして自社のデザインセンターがデザインしたフェラーリ・ローマは、伝統的なフェラーリとは違うコンセプトが示され、新しいフェラーリの美意識が見て取れます。
レッドドットアワードの受賞で成功を示す
ドイツで1955年創設の産業デザインに対する賞であるレッドドットアワード(ノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンター主催)は、 iFデザイン賞、インターナショナル・デザイン・エクセレンス賞 (IDEA)と並ぶ「世界三大デザイン賞」。
フェラーリは近年受賞を重ね、最上位のベスト・オブ・ザ・ベストとして評価されることも。レッドドットアワードは、世界各国からの応募があり、受賞したプロダクトはレッド・ドット・デザイン・ミュージアムに展示されています。
毎回数千を超えるエントリーでも受賞を当然かのように高い評価を受けるという点で、フェラーリのデザイン部門が能力を発揮しているといえるでしょう。特にデザイン・チーム・オブ・ザ・イヤーでの受賞(高いデザイン能力を持った企業や団体へ贈られる)は、フェラーリのデザイン部門が成功したことを明確に示しています。